最近ペットとしてすっかり人気が定着してきたハリネズミ。
そのコロンとした愛くるしい姿に魅せられてしまったファンの方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、日本の一部地域で繁殖、定着してしまい特定外来生物に指定されているハリネズミがいる事をご存知ですか?
今回はその特定外来生物になってしまった「アムールハリネズミ」の特徴や生態、問題点などを挙げてみました。
[toc]アムールハリネズミの特徴と分布

出典:iNaturalist
アムールハリネズミは別名「マンシュウハリネズミ」とも呼ばれています(学名:Erinaceusamurensis)。
体長は成体で25cm前後、標準的な成体の体重は600~700g程度、背中に約2~3cmの固く鋭い針状の毛が生えています。
主な生息環境は草地、農地や湿地などの平地ですが森にも住む事があります。
アムールハリネズミの日本での分布
元々、アムールハリネズミは東アジアから北東アジア地域にかけて暮らしています。
しかし、家庭用のペットとして輸入されていたものが捨てられたのか、逃げたのかはわかりませんが日本の野外で繁殖してしまいました。
現在、神奈川県と静岡県の一部地域では既に定着が確認されている上に、栃木県、長野県、富山県、岩手県でも目撃や捕獲がされています。
この中でも、特に静岡の一部地域では相当な数のアムールハリネズミが大繁殖しており、2005年12月に外来種被害防止法によって特定外来生物に指定されました。
アムールハリネズミの日本における問題点
「アムールハリネズミは小さくてかわいいし、特定外来生物に指定しなくても、放っておけば?」と、思う人もいるかもしれません。
しかし、元々日本には地上を歩き回って食べ物を探す肉食の哺乳類はそれほど多くいません。
そこに虫を食べるのが大好きなハリネズミがやってくると、元々暮らしていた昆虫達が食べられてしまいます。
それだけでなく、その虫達を食べて暮らしていた在来種の生き物達が生息できる環境まで破壊されてしまう恐れがあるんです。
さらに海外では、地上で巣を作り子育てをする鳥の卵が食べられてしまうという被害も報告されています。
なので、かわいいから放置しておくというわけにはいかないようです。
アムールハリネズミを拾って飼える?
「じゃあ拾ってきて、うちで飼えばアムールハリネズミも減るし環境破壊の問題解決にも役立つね!」と思う人もいるでしょう。
しかし残念ながら、特定外来生物に指定されてしまった生き物をペットは観賞用として飼う事が外来生物法で禁止されています。
[kjk_balloon id=”1″]もしどこかでアムールハリネズミを見かけたとしても拾ったり飼ったりしてはいけません。[/kjk_balloon]まとめ
ペットとして人気の高い動物でも、人間の勝手な行動でアムールハリネズミのように駆除対象になってしまいます。
何の罪も無いのに特定外来生物に指定されてしまうかわいそうな生き物を増やさないためにも、ペットショップ等で生物を購入する時は本当に最後まできちんと面倒をみられるか、よく考えましょう。
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