境界性パーソナリティ障害のあなたに日記での記録のススメ

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以前、「境界性パーソナリティ障害の私から見えている世界。どんな病気か知っていますか?」という記事を書きました。

境界性パーソナリティ障害の私から見えている世界。どんな病気か知っていますか?

この記事は現在1日100件以上のアクセスがありますが、BPD患者さん本人からお礼のメッセージが届くことが多々あります。

「自分自身のことをうまく説明できなくて悩んでいた」「私の言いたいことを代弁してくれている気がして嬉しかった」など、本当に一通一通のメッセージが嬉しいです。

ご本人が見てくださっていることも多いということに気づいたので、今回は患者さん本人に向けて「記録のススメ」を書きたいと思います。

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境界性パーソナリティ障害で悩むあなたへ

病院で「境界性パーソナリティ障害」と診断され、どんな病気なのかわからなくて困惑している方は「境界性パーソナリティ障害の私から見えている世界。どんな病気か知っていますか?」をご覧ください。

境界性パーソナリティ障害の私から見えている世界。どんな病気か知っていますか?

この記事は、すでに自分自身の病気と向き合い始め、寛解に向けて治療を進めている方向けです。

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薬では治らない境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害の治療には、「精神療法」と「薬物療法」がメインで行われます。

薬物療法では「抗うつ薬」や「抗不安薬」が使用されることが多いです。

しかし、境界性パーソナリティ障害は薬で治る例はほとんどありません。

そもそも、なぜ薬が処方されているのか知っていますか?

BPD患者に薬が処方される理由

境界性パーソナリティ障害は、「神経症」と「統合失調症」の境目にある症状が出ます。

そのため治療には薬ではなく、精神療法が必要で長い年月がかかります。

あなたに「気分の落ち込み」「強い不安感」「怒りの感情が抑えられない」「冷静でいられない」などの症状はありませんか?

このような症状を抑えて日常生活を送るために、薬が処方されるのです。

また、大抵の場合境界性パーソナリティ障害の患者は他の病気を併発しています。

併発の大多数を占めるのは「うつ病」です。

私はうつ病、パニック障害、社交不安障害を併発しています。

BPD患者に自殺者が多いのは、他の精神疾患の併発率の高さが影響しているとも言われています。

抗うつ薬・抗不安薬の副作用「記憶障害」

一言に「薬」と言っても様々な種類があり、副作用もいろいろありますが、今回注目したいのは「記憶障害」です。

この副作用が出るのは三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬などです。

三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬は今はほとんど使われていないので省略しますが、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬はBPD患者さんなら処方されている方も多いのではないでしょうか。

処方されやすい抗不安薬

  • グランダキシン
  • リーゼ
  • デパス
  • ワイパックス
  • ソラナックス/コンスタン
  • レキソタン
  • セルシン/ホリゾン
  • リボトリール/ランドセン
  • セパゾン
  • メイラックス
  • レスタス

私はベンゾジアゼピン系の抗不安薬の中で「デパス」と「レキソタン」を飲んでいます。

デパスに関してはもう10年近く服用し続けています。

ベンゾジアゼピン系の抗不安薬は、大脳辺縁系と呼ばれる脳の内側に作用します。

このため、副作用・離脱症状共に強く現れやすい傾向にあります。

この中でも「記憶障害」「解離」「健忘」が現れている方に特に伝えたいのが、今回の本題です。

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記憶障害が怖い、自分自身がわからないなら記録しよう

私は治療を始めて10年以上になります。当然、薬に対する依存性や効果の薄れもあり、副作用だけが強く現れたりもしています。

私が記憶障害を起こしていることに気づいたのはここ数年のことです。

結婚して他人と一緒に暮らすようになり、子育てをしている中で違和感を感じ始めました。

私は、数学が得意でした。日商簿記1級に高校2年生のときに合格するほど、数字が大好きでした。

私には小学2年生の娘がいますが、娘から九九の質問をされたときに瞬間的に答えられなくなっています。数学が得意だったとは思えないほどです。

これはベンゾジアゼピン系の長期服用による認知能力の低下です。できていたことが、できなくなるのです。

もちろん薬の副作用として短期的な記憶障害も現れています。

料理はレシピを見ないと作れなくなりましたし、レシピも分量を1つ1つ確認しないと覚えられません。

手順も覚えられず、そもそも自分が料理をしていたことすら忘れてしまうことも多々あります。

もちろん、昨日何を食べたのかなども思い出せないことが多々あります。2日以上前の記憶はほとんどありません

治療のためにも記録をオススメしたい

BPDの症状が薬では抑えきれず、暴れたり物を壊したりしても、何故そのような行動をしてしまったのかわかりません。

そんな方には、日記を書くことをオススメしたいです。毎日でなくても良いです。気付いたときに書けば大丈夫。

自分がやったことの記録、その日あったことの記録をつけていくのです。

それを見返すことで客観的に自分を見ることができます。

[kjk_balloon id=”1″]きっとこのときは、○○があったから不安感が大きくなったんだ。[/kjk_balloon]

などと気づけるようになれば、周囲の人に伝えたり、自分自身で原因を避けることができるようにもなります。

意味がないと思うでしょうか?

でも、何もしないよりマシですよね。だってずっとBPDのまま生きていたくないですもんね。

自分自身のことをしっかり知る必要のある境界性パーソナリティ障害にとって、日記を書くことによる「記録」と「分析」は、とても相性が良いんです。

記録の方法と私の体験談

私はノートに記録するのが苦手なので、こうしてブログを書いたり「SONOWATA」というサービスを使っています。

もちろん、ノートでも他のブログサービスでも良いのですが、仕事で知った「SONOWATA」が私と相性が良かったので。

大っぴらにこっそりと「SONOWATA」で大きな独り言日記を書いてみませんか?

SONOWATAで書いている内容は、私以外誰も知りません。旦那ですら存在を知りません。

自分のやったことを記録して分析を繰り返すことで、私の症状が強く現れる原因が少しずつわかってきました。

今は、その原因から離れて薬を飲みつつ気持ちを落ち着かせることで、突然暴れたり怒ったりすることは随分減りました

長期的な記憶障害や知力低下は、薬を飲んでいる限りどうしようもないのかも知れませんが、日記を書くことで思い出や記憶は取り戻せます。

親や兄弟、そして旦那。

周りからの理解や協力が得られなかった私は、自分で自分を支えるために記録をつけています

小さなことかも知れませんが、自分の記憶が文字として残るというのは、とても大きな支えになります。

自分の行動を客観的に見たい人や、記憶障害に困っている方は、是非日記を書いて記録してみてください。

[kjk_balloon id=”2″]いつか寛解して、周りの人と同じような気持ちで日常が送れるようになる日まで、一歩ずつ進んでいきましょう。[/kjk_balloon]

薬への依存から抜け出したい方は、サプリメントを併用してみるのもおすすめです。

私は「リラクミン」というサプリメントを飲み始めてから、少しずつ薬の量を減らすことができました。

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