湖沼を荒らしまわる魚として、評判の良くない魚「ブルーギル」。
日本では特定外来生物にも指定され、各地でブルーギルによる生態系の破壊が報告されています。
そんなブルーギルの日本上陸には、天皇陛下が関わっていることをご存知でしたか。
この記事ではブルーギルの生態や、天皇陛下との関係について解説します。
[toc]ブルーギルの生態
ブルーギルとは、北米大陸東部が原産の淡水魚です。
成魚の体長は20㎝前後、日本では30㎝を越すことはまずありませんが、原産地の北米には40㎝にも達するものもいるそうです。
のこぎり状の歯を持ち、あごの力も強力。
こうした特性を生かし、水草、昆虫、小型魚、甲殻類、貝類までなんでも食べます。
ブルーギルが一度侵入してしまうとその場所の生態系が大きく崩れてしまうのは、ブルーギルの旺盛な食欲と雑食性が原因です。
ブルーギルの生息地
流れが比較的緩やかな、湖沼や川に住み着く傾向があります。
しかしブルーギルは環境の変化にも強く、水質の汚濁がある場所でも生き抜くことができます。
強い生命力を持つブルーギルは、世界各地に持ち込まれ繁殖拡大中。
日本のみならず、世界中がブルーギルによる被害に頭を悩ませている現状です。
平成天皇とブルーギルの関係
ブルーギルを、日本に初めて持ち込んだ張本人は天皇陛下です。
1960年に皇太子明仁親王(後の平成天皇)が外遊先のアメリカで、現地産15匹のブルーギルをプレゼントされました。
このブルーギルは研究対象として水産庁が管理していた後、静岡県にある一碧湖に一部を放流しました。
その子孫たちが大繁殖した結果、全国にブルーギルが蔓延することになってしまったのです。
天皇陛下ご自身も、ブルーギルの被害を見聞きするたびに心をお痛めになさっています。
2007年の全国豊かな海づくり大会において、ご自身が持ち込んだブルーギルによる被害の多発についての思いを言及したこともあります。
天皇陛下の心中をお察しするには余りがあります。
外来生物の中でも、持ち込んだ経路と人物が特定されている珍しいケースですね。
実はブルーギルは食べるとおいしい
厄介者のブルーギルですが、実は食べてみると美味しいとの評判も耳にします。
元々食用として研究されていたこともあり、白身はたんぱくで柔かいと言われています。
フライやムニエルとして食べる方法がおすすめだとか。
なぜ食用として広まらないのか?
そんなブルーギルですが、食用として広まらなかったのは調理が難しいから。
骨が非常に多く、身体にはトゲもあります。
調理するのに手間がかかるため、わざわざブルーギルを食べようとするのは物好きな人しかいないのが現状です。
まとめ
この記事では、ブルーギルの生態と天皇陛下との関係をまとめてみました。
厄介者のブルーギルですが、天皇陛下との関係や食用として研究されたエピソードなど意外な側面もあるのですね。
ブルーギルは、知れば知るほど見方が変わって来る魚です。
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